問題から逃げた有識者会議の罪

秋篠宮家 ©プレジデントオンライン

 神道学者で皇室研究者の 高森 明勅(たかもり あきのり)氏が、PRESIDENT Onlineにて明確に、批判しています。
 有識者会議の姿勢についてと、そして有識者会議が提示している2案についてを。

 高森氏は有識者会議の姿勢は、国会から求められた肝心なテーマから逃げて、つまり皇位を安定して継承するための案を検討する、というテーマから逃げている、そして議論をすり替えている、不誠実なものだと言います。
 しかも議論をすり替えた有識者会議が、提示してきた2案は、まったくもって非現実的な案だと。

高森氏の記事はこちら→【「これでは愛子さまのご結婚はますます困難に」皇位の安定継承の問題から”逃げた”有識者会議の罪】


 高森氏の記事から当サイトへ、以下の2つの点だけ抜き書きさせてもらいます。
〈1〉有識者会議が設置された理由は?

〈2〉高森氏が一番主張したいことは?
────

〈1〉そもそも、有識者会議が設置されたのはなぜか?
 それは明仁天皇(現上皇陛下)の退位の特例法に、付帯決議があり、そこには政府への要請が記されていました。
「安定的な皇位継承を可能にするための諸課題」と「女性宮家の創設等」について、政府が「速やかに」検討するようにと。
 そのため政府は、その検討のたたき台を用意するため、有識者会議を設置したのです。
 高森氏によると、その退位の法律がととのった時(2017年)の付帯決議には、「皇族数を確保する」というテーマは含まれてなかったそうです。
 であるのに有識者会議は、その無かったテーマをあえて設定して、問題をすり替えて議論してきた。その態度は国会の決議をないがしろにする不誠実なものだ、と高森氏は憤っています。

ここで私見を少し──
 高森氏が指摘するように、わたしも有識者会議の態度は不誠実に思えます。ただ有識者会議は、政府の考えに基づいているゆえに、肝心のテーマから逃げているのではないでしょうか。
このたびの有識者会議は、菅政権の下で設置されましたが、その前の安倍政権の時にも、明仁天皇の退位への判断はひじょうに遅く、また皇位継承問題についてもずっと棚上げしていました。政府自体が逃げてきた。そんな政府から、有識者会議へと、あらかじめ議論のかたちの指示があったのではないかとも思えます──

〈2〉高森氏が一番主張したいことを、短くまとめると
「皇位の安定継承を目指すならば、女性天皇・女系天皇を可能にする、皇室典範の改正に踏み出す以外、すすむべき道はないはずだ」
 と、いうことです。
 高森氏も、有識者会議メンバーになっていただきたかったな、と思います。

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