有識者会議2案の、問題点をつく週刊誌

 先だって有識者会議がまとめた「皇族数の減少に対処するための2案」、それらの問題点を、簡潔に突いている記事を見つけました。
 2021年12月24日号の週刊ポストです。

 皇室ジャーナリストの神田秀一氏と、宮内庁担当記者の談話をもとに構成されていて、新たに知った内容だったので、転載させてもらおうと思いました。

 まず有識者会議が2案を提案したことについて、神田秀一氏の談話。
「女性・女系天皇の是非など、肝心の皇位継承問題には触れず、女性宮家の創設案にも言及はなかった。
問題の本質からずれた提案に見えました」

有識者会議の2案は以下です。
(1)女性皇族が結婚後も皇室にとどまる
(2)旧宮家の男系男子が養子として皇族に復帰する

①の案には、特に大きな問題があると神田氏は語ります。
「この “結婚後もとどまる” という文言を額面通りに受け取れば、女性皇族の配偶者が皇族の身分を保持しない場合、夫婦間で身分の違いが生まれることになります。
そうなると、女性皇族の苗字はどうなるのか、家族のなかでひとりだけ苗字がない状態になるのか。
住まいについても結婚後、皇族でない他の家族と宮内庁が管轄する土地に住むことになるのか。こうした課題が宙に浮いたままなのです」

 神田氏とは別の、匿名の宮内庁担当記者も問題点を指摘しています。
「①の案において、もし配偶者が政治活動を始めた場合、皇室の政治利用が起こりかねない。かといってそれを制限することも、また難しい。
夫婦間で身分差が生まれるという点では、②の案も同じ懸念が発生します」

 有識者会議の座長である清家篤氏が2案について、
「どちらかではなく、どちらも、ということではないかと理解している」
 と述べたことで、宮内庁担当記者のあいだでは以下の案までが、取りざたされているそうです。

「もし①②の両案が採用されて、女性皇族が、②で皇族復帰した男系男子と結婚すれば、身分の違いが生まれるという問題は解消されます。
 1908年には、恒久王(*注)が明治天皇の皇女であった常宮昌子内親王と皇族同士で結婚した事例もありました。
 さらに今は小室さん夫妻の問題で、宮内庁は女性皇族の結婚相手選びに悩んでいる状態です。
 その相手が皇族であれば、今回のような皇室への批判も避けることができます。宮内庁からすれば抱える問題を一掃できる案です。
 ですが、事実上女性皇族の婚姻の自由を奪うことになり、世間の理解を得るのは難しいでしょう」(別の宮内庁担当記者)

・・・①②の両案を採用する案、ですか。初めて知りました。
 愛子さまや佳子さまが、養子縁組で皇族復帰した男子と、結婚すれば、というか結婚してくれたらば、もろもろの問題はクリアーできるという案。
 人身御供的案。古式ゆかしき天皇制維持のために。なんという・・・

(*注) 竹田宮恒久王 たけだのみや-つねひさおう
1882-1919 明治-大正時代の皇族,軍人。
能久(よしひさ)親王の第1王子。明治39年竹田宮家を創始。日露戦争では野戦近衛師団司令部副官をつとめる。流行のスペインかぜのため37歳で薨去。

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