どうして天皇は、男系の男子でなければいけないのか。
女性天皇反対派は、次のように主張します。
皇統(こうとう) = 天皇の血筋 は、初代の神武(じんむ)天皇から、126代にわたってつづく世界最古の血統(けっとう)で、それこそが正統であり、何にも代えがたい価値だからだと。
過去には、女性の天皇も実は8名いました。そのうちの2名は、二度ずつ即位(そくい)したので、合計10代の女性天皇がいたわけです。
けれどもその8名は、男系男子の天皇がまだ幼い、などの事情がそれぞれにあって、一時的に天皇になった、つなぎのリリーフのようなものだったと、反対派は説明しています。
なにしろ男系男子の伝統をつなぐことが、重要なようです。
ただ、男子をたしかに誕生させるために、側室(そくしつ)という制度があったんですね。
天皇と結婚した皇后でも、かならず男子を生むと決まったわけではないから、ほかにいたんです、男子を生むための側室という女性たちが。
NHKの番組でもやってましたが、江戸時代の115代 桜町(さくらまち)天皇から、123代の大正(たいしょう)天皇まで、天皇はずっと皇后の子ではなくて、側室の子がつづいたそうです。その前の時代もあわせて調べると、すべての天皇126人中、55人が側室の子だったと。
側室という制度はもう現在だけでなく将来的にも置けません。
それで反対派の考えでは、側室ではなくて旧皇族(きゅうこうぞく・いまは皇族ではないが天皇家の遠い親せき。旧宮家のこと)を、皇族として復活させよう、そして伝統をつなごう、そのための準備をととのえるべきだと提案しているんですね。
天皇家と同じ先祖をもとめて600年もさかのぼるのは大変だから、そうではなくて昭和20年の、太平洋戦争の敗戦後、占領軍の命令によって廃止になった皇族(=旧皇族)から、天皇家へと、若い男子に入ってもらう、案だそうです。