悠仁さまは16歳。直に成人されます。
そこで毎日新聞社説(9/11)を、転載しようと思います。
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いつまで先送りを続けるのか。国の根幹に関わる課題に政治は正面から向き合わなければならない。皇位継承を巡る問題である。
皇位の安定には、女性皇族に継承資格を認めるかどうかの議論が避けて通れない。だが、政府が1月に国会へ提出した有識者会議の報告書には盛り込まれなかった。
報告書が示したのは、皇族数の維持策にとどまる。女性皇族が結婚後も皇室に残る案と、旧宮家出身の男系男子が養子として皇室に入る案だ。皇室典範が、皇族女子は結婚すると皇籍を離れると定めているためだ。
皇族数の確保は喫緊の課題だ。本題である皇位継承の議論に進むためにも、早急に取り組まなければならない。
報告書をまとめるよう要請したのは国会である。5年前に天皇退位を認めた特例法の付帯決議は、皇位継承の課題などを速やかに検討するよう政府に求めた。
にもかかわらず、受け取った国会が動こうとしない。先の通常国会で議論が進まず、夏の参院選でも論点にならなかった。
自民党の茂木敏充幹事長は、野党と折衝して付帯決議をまとめた当事者だ。だが、法整備を急ぐ必要はないとの考えを示している。党内で意見が割れる課題を避けようとしているなら、無責任と言わざるを得ない。
立憲民主党は取り組む必要性を訴えるものの、党の立て直しに追われている。
皇室制度の維持にとどまらず、個々の若い皇族の生き方に直結する問題でもある。
最近では秋篠宮さまの長女小室眞子さんが結婚により皇籍離脱した。天皇陛下の長女愛子さまは、既に成年皇族として活動されている。手をこまねいていては、皇族数の減少に歯止めがかからない。
次世代で継承資格を持つのは、秋篠宮さまの長男悠仁さまだけだ。6日に誕生日を迎えられ、2年後には成年となる。落ち着いて議論できる時間は限られている。
参院選が終わり、衆院解散がなければ3年間、大型の国政選挙はない。皇位継承問題にじっくり取り組む好機のはずだ。
秋の臨時国会で議論すべき課題は多いが、この問題も忘れてはならない。