女系容認の流れを、小野さん顧みる

 小泉政権時には、有識者会議が、女性・女系天皇を容認する報告書をまとめました。そしてもうあと一歩で、国会の議論にかけられるところでした。
 それが、中断した。
 小泉政権の内閣総理大臣秘書官についていた小野次郎さんは、当時のその中断を、無念に思ったものでした。

 その当時の無念さが今になって、THE SAN KEI NEWSの記事を目にした小野さんによみがえりました。あの中断は大きな損失を生んだはず。

 THE SANKEEI NEWSの記事「皇位継承議論 当初女系容認流れ、安倍氏がストップ」(千田恒弥記者 12/22)より、小野さんの無念さをあらわしている部分を、以下へあげます。

──平成17年11月、小泉純一郎政権が設置した有識者会議がまとめた報告書は、女系継承への拡大を初めて認めた。皇位継承資格について「女性天皇や女系の天皇を可能とすることは、象徴天皇の制度の安定的継続を可能とする上で、大きな意義を有する」と明記した。

さらに皇位継承順位について「男女を区別せずに年齢順に皇位継承順位を設定する長子優先の制度が適当だ」と説いた。女性皇族の配偶者に皇族の身分を与える必要も指摘した。

小泉政権は報告書に基づき、18年1月召集の通常国会への皇室典範改正案の提出に向け、作業を加速する。だが、2月に秋篠宮妃紀子さまのご懐妊が明らかになり、事態は一変する。

当時、官房長官だった安倍晋三元首相は記者会見で「ご懐妊を踏まえ静かな環境が必要。改正論議は凍結する」と答えた。
実は安倍氏の手元には、官僚が用意した「有識者会議を踏まえた法制化を粛々と進めていきたい」と書かれたメモがあったという。

紀子さまのご懐妊から法案提出断念に至る経緯について、安倍氏は「国民的な慶事だったが、私としては後々冷や汗を拭う思いを禁じ得なかった」と、月刊誌「文芸春秋」(24年2月号)で振り返っている。18年9月に秋篠宮さまの長男、悠仁さまがお生まれになり、小泉政権の後を継いだ第1次安倍政権は、議論の前提が変わったとして、有識者会議の報告を白紙に戻した。──

 国会での論議は、安倍氏の一存によってストップした。
 一存で、ストップさせられた!
 小野さんの無念として残りました。

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