
2月10日の内閣委員会で答える、松野官房長官
皇位の安定的な継承をめぐって、馬淵委員(立憲民主党)が2月10日、内閣委員会にて41分間、政府に質問しました。
松野官房長官の答弁は、ほとんど同じフレーズをくり返す形になりました。
「国会で議論していただき、それを受けて、政府は対処したい」と。
もちろん今現在は、政府の有識者会議でまとめられた報告書が昨年の1月、政府から国会へと提示されたので、大いに国会で議論されるべき段階なのですが、しかしその議論も、議論のスケジュールが細田衆院議長から示された話さえも、一向にきこえてきません。提示からもう1年も経つというのに。
国会はサボっているのでしょうか?
いや、それを言う前に政府がとにかく無責任なのだと、厳しく批判する記事がありました。
神道学者で皇室研究者の 高森 明勅(たかもり あきのり)氏が、PRESIDENT Onlineに書いています。
→「今後、検討されていく…」皇室研究家が驚愕した、岸田内閣の「皇室の未来」への無責任と無関心

松野官房長官に質問する、馬淵澄夫委員
そもそも、皇位継承問題は 2017年6月、天皇の退位に関する法律ができた時に、付帯決議で、すみやかに検討するよう決められました。
安定的な皇位継承を実現するために、政府は、すみやかに検討しなければならなかった。ところがすみやかには、スタートしませんでした。
政府は 2021年3月になってようやく、有識者会議を立ち上げました。
そしてそもそも、政府がやっと有識者会議を立ち上げて議論を始めるテーマは、安定的な皇位継承に関する課題と、女性宮家の創設についてのはずでした。付帯決議でそうなってましたよ。
であるのに、有識者会議では次の2つのテーマにずれて議論され、まとめられていきました。
皇族の減少問題にどう対処するのかと、旧宮家から男系男子を養子として皇族復帰させるというテーマに。
そもそも、今の皇位継承者は実質的に、秋篠宮家の悠仁さまのみで、非常に大きなプレッシャーとストレスを負わせている状況にあると言えるのでしょう。
将来的に悠仁さまは、結婚してかならず男子を成して皇統を守っていくという使命を、皇室典範にそくして背負ってしまっています。
それで大丈夫なのか、将来的に男児がかならず生まれつづけるのか、という疑問は消えていません。
だからこそ政府にはこの問題を検討してまとめる責任があるのに、なぜかうやむやにしたがるふうです。
2月10日の内閣委員会で、馬淵委員は憲法にからむ問題も質問しましたが、松野官房長官は相変わらず国会にゆだねると答えていました。
こうなったら国会にて一から、付帯決議のテーマに立ち戻って、議論し直すのが宜しいのではないでしょうか。